ホームへ戻る  

all today yesterday

オーディオトップに戻る

フリーソフトを使ったワーブルトーンの製作方法を公開!

グライコを使った周波数特性の補正

初めに
 先日購入したデジタルグラフィックイコライザーDEQ2496によるお遊びも短時間のうちに最終調整まで来てしまいました。結局は各ユニットのレベルをきちんと合わせてやれば殆ど問題は無いと言う事ですね。もちろん左右のレベル差などはユニットの個体差や部屋の状況にも左右されますので修正しますが、やはり測定という作業が重要になってきます。測定ができない状況では各ユニットのレベルも左右のレベル差もきちんと合わせられませんので、上記のように「ほとんど問題がない」と言う事は、到底無理だと思います。

 聴感に頼ってのユニットのレベル調整は、やはり人間自身の左右の聴力の違いや部屋の音響特性の違いも有りで、絶対と断言できるほどうまくはいきません。自分の耳に合っていれば良いのではないかと思うでしょうが、ところが人間の耳の左右の聴力は周波数によって違うので聴感に頼っての調整方法では、ほんの僅かにリスニングポイントがずれただけでも違和感が出てしまいます。測定によるレベル合わせは、私が聴感で会わせたものとかなりずれていました。しかし調整した結果、その音はあまりにも「まとも」なのです。「あー、これなんだ!」と言う第一印象でした。確かに好みの音というのは存在するのです。でもそれはちゃんと測定してレベルからきちんと合っている状態の次のステップなのです。

 もちろん私が行っているアナライザー+ワーブルトーン(スイープ)信号による測定も完全ではありません事は承知しています。できれば単独のレベル計+ワーブルトーン(スポット)信号があればベストなのですが。日本オーディオさんで扱っている製品にそれは有りますが15万円位しますので躊躇してしまうのは否めません。新品でアンプやユニットをホイホイ買える生活にゆとりがある方なら問題はないでしょうが、システムを中古品で構成しているような私には本物の測定器を持つ余裕はありません。(完全に言い訳モードなのはわかっています(^_^;)もっとも某仙人に言わせれば「先に測定器ありき」なのですが・・・。ここで一つだけ言っておきます。(と言っても某仙人から教わった事ですが)シングルトーン(サインウエーブ)での測定は、定在波の影響をもろに受けるので意味を為さない、です。シングルトーンしか信号源が無いのなら、測定はしないほうが良いでしょう。参考にさえならないそうです(^_^;(でも、定在波を調べる時には使いますよね・・・)

 繰り返しますが、少なくともアナライザー+測定マイクでも良いですから測定可能な状態にしてみましょう。少なくともマルチウエイのスピーカーを自作されている方は、測定器+グラフィックイコライザー無しでは「あなたのシステムはまともではない!」と・・・。人間の聴感を過信しないでください。できればシングル一発の場合でも薦めます。左右の部屋の音響特性も含めて調整ができる事の方が、何も入れない「音がクリアー」な状態より良いはずです。ツイーターに耳を押しつけて「ノイズがある」なんてスーパーマンじゃないのだから、そんな微少なノイズはリスニングポイントに座っていれば聞こえません!

 アトリエ メジャグラン から待望の測定器が発売されました!測定用の音源はワーブルトーンです。このワーブルトーンはCD−Rによる供給です。CD−R単体での販売もしてくれます。私はCD−Rだけ買いました。

 ワーブルトーン及びトーンバーストは「加銅鉄平」氏のHPの中のHiFiオーディオ教室の 「No.69 聴感で調整 6/1」をご覧下さい。


100Hz以下は参考程度の測定です。場合によっては無視しています。
グライコの補正に関しては”上げる”より”下げる”を基本に調整しています。

 DEQ2496の機能について簡単に説明しておきます。色々な機能がありますが、基本的にオーディオ用として使うものだけ上げておきます。デフォルトでは左右がリンクしていますので、左右を別々に調整するときには事前に設定でデュアルモノに変更しないといけません。CDから直接入力させるとき、出力レベルの高いCDプレーヤーの場合は背面のスイッチで入力感度を設定しないとクリップして音が歪みます。私もそうでしたが、バランス入力の場合はスイッチを押して変えた方が良いでしょう。

*** 注意 ***
PA用機器ですので電源投入時、切断時のミューティング機能がありません。ご使用になる時には一番最初に電源を入れ、切る時には一番最後にオフにしてください。耐入力の小さいユニットの破損(ボイスコイル断線、ダンパーやエッジの破損)や、マルチアンプの場合はツイーター等のボイスコイルが断線します。

グラフィックイコライザー(GE) +−15db 20〜20KHz 1/3オクターブ 31ポイント パラメトリックイコライザー風に使える機能があります(VPE)。
パラメトリックイコライザー(PEQ) +−15db 5ポイント/ch 各ポイントを20Hz〜20KHzまで自由に設定できます。左右リンクで使う場合は10ポイントになります
リアルタイムアナライザー(RTA) 入力、出力、マイク入力それぞれを表示できます。測定時にマイク入力で使うときにはスピーカー出力を片方ずつ音を出して測定します。
オートイコライザー(内蔵のピンクノイズジェネレーター出力をマイクで計測して自動で補正します)
メモリーバンク 設定を保存する(32個だったかな・・・そんなに多くつかわないので・・・)
メーター機能 アナログ風2chVU 2chピークメーター マイク入力用ピークホールド付きメーター

 面白いのはアナログ風VUメーターです。うちの子供がそれを見まして「針が動いているように見えるけど、これって絵だよね??」って言っていました(^_^)


2004/05/14
サイン波での測定

 ベリンガーのDEQ2496とテクニクスのSH8000を導入したので早速使ってみました。 とりあえずは、素のままの特性を計測してみます。 SH8000のレベル計を使用しました。 音源はSH8000のワーブルトーンが不調なのでテストCDの1/3オクターブサイン波です。 部屋は10畳洋間、普通の居間にポンとオーディオが置いてあるだけです。定在波も出まくりです。測定用マイクは聴取ポイントに設置しました。

 今まで一番おかしいと感じていた事は、中域〜中高域にかけて左右のユニットが(或いは部屋の影響か)F特に不揃いがあると言う事でした。 具体的に書くと、ボーカルを例にすると低い声の時には真ん中で歌っているのですが、裏声の領域になると右にずれてしまっていたのです。 それと子音が右側から聞こえて母音はセンターからという、ふらふらとした定位でした。 計測結果を見ると明らかに右チャンネルの4K〜5Kの中高域にピークが見られます。 これが原因だったようです。
 10KHz以上がフラットになっていますが、間違いではありません。MEJO GRAN(メジャグラン)で紹介されている「MINI−CUB」というちっぽけですが効果大のネットワークが入っているからです。(ちょっと値段は高い気がするけど・・・)

 計測結果をグラフにしてみて「ウワ!ひでー!!」ですね(^_^;(^_^;(^_^;  全く音響を考えていない四角い部屋ではこんなものでしょうかね・・・ 100%自由にできない、オーディオを置いておくだけを許された部屋です。 多分今後も定在波対策はできないでしょう(T.T)
 しかし言い訳ではないのですが、聴感上は非常にメリハリがあり良い感じです。 これを元にチャンデバのレベルから再調整して行こうと思います。

サイン波での測定では、ワーブルトーンと違い定在波が出まくりですのでばらつきが大きいです。次回は何とかワーブルトーンを使えるようにしたいですね。


2004/05/18
ワーブルトーンで測定

 前回はSH8000のメーターとサイン波で計測しましたが、今回はワーブルトーンのスイープ信号+DEQ2496のRTA(リアルタイムアナライザー)を使い計測してみました。 

 前回の計測数値で試しに無理矢理測定数値どおりに補正した音は、見るも(聞くも?)無惨な結果になっています。 いじり過ぎは良くありません!

 <DEQ2496のLCD部>  (下で書き起こしたグラフの元になった画像では有りません。)
 横線は5db間隔です。(縦軸、横軸、それぞれのレンジは設定で変えられます) 40Hz以下のレベルは、いわゆる「暗騒音」です。 この領域を測定するには大音量にしないと測定できません。 深夜の測定ではそんな大音量は出せません・・・。

 チャンネルデバイダーのレベルはRTAを見ながら再調整してあります。 ミッドの上下でF特が暴れていたのはミッドの極性が間違っていたようですので、ミッドだけ今回は反転してから測定してあります。

 前回サイン波で計測したときには10KHz以上はフラットだったのが今回は落ち込んでいるのは、レベルを下げた事やマイクの位地や絨毯や座布団も影響しているようです。

 DEQ2496のLCDでは見づらいので、計測結果をグラフに書き起こしてみます。 LCDの図中、上から4番目の横線を基準にしました。 (注)上のLCDの画像とは別のデータから書き起こしてあります。
 100Hz以下は今回の測定では無視します。 上のLCDを見れば分かるように、100Hz以下は(左右とも)だら下がりです。 この部分は、あとからパラメトリックイコライザーで聴感補正します。

 ワーブルトーンを使ったせいか、前回ほどはひどい定在波の影響は受けていないようです。 この位ですと少々の補正で済みそうですね。 聴感でチャンデバのレベルを合わせていたときと違い、その都度レベルを計測しながら調整しましたので大幅に特性が落ち着いてきています。 グライコを無調整で音楽をかけて聞いてみても、落ち着いた雰囲気になりました。

 この後DEQ2496で補正をかけました。 補正量は〜8KHzは3db以内でそれ以上の補正量が必要な周波数に関しましては、左右が近づくように補正します。 特にウーハー領域で明らかに定在波の影響と思われる部分については多少数値上暴れていても補正量は少な目にしています。 10KHz〜は0dbになるように目一杯です。 特に中高域以下は、やり過ぎると不自然な音になってしまいます。

 人が計測地点(マイクの位地)に座ればさらに高域は落ち込む事と思いますので、最終的にはパラメトリックイコライザーで10KH以上は少々持ち上げています。 同じように80Hz以下も持ち上げました。

補正後の音 ( 補正後の測定結果は記録するのを忘れました(^_^; )
 音の傾向としては、以前に比べて非常に落ち着いた音になりました。 左右のばらつきも補正しましたので、ピンポイント(に近い?)定位も得られるようになりました。 音量を上げていっても全くと言っていいほど聞き疲れの無い音です。 しかし決して寝ぼけた音ではありません。 願わくば、5chにしてミッドローを入れて低域をもっと切れ込むようにしたいですね。 (その前にバックロードホーンから脱却しないと・・・)


2004/05/23

 前回に引き続きワーブルトーンにて測定をしてみました。 1/3オクターブのワーブルトーンの信号源は持っていないので、ソニーの「スーパーオーディオチェックCD」のワーブルトーン/スイープ信号を使いRTAで計測しました。 信号源については初めはシングルトーン(サイン波)を使っていましたが、メジャグランの稲田仙人にお聞きしました所、絶対にすべきじゃないとご教授されましたので、今後はワーブルトーンを使います。

下記はグライコ無調整での測定グラフです。

 この後チャンデバのレベルを再調整してから、測定した結果を100%イコライザーに反映させ再測定したものが下記のグラフです。 測定上は文句なしと言いたい所ですが、聴感上はやはり大きく調整した周波数あたりに違和感を感じます。 それと、あまりにも大人しい音になってしまっています(^_^; グライコで大幅にレベルをいじるのはやはり良くありませんので、変更幅を最小限に留めるように最終調整をします。

 最終調整 上記の試験結果を踏まえて再調整します。

 グライコをかける前の状態は、大まかに見ればそれ程大きくは乱れていないので調整量を最大3db以内に抑えるようにして、左右の音圧差をなるべく減らす方向でグライコを調整しました。
 ここまでで大きくは乱れていない事がわかったので、(測定結果をもとに)聴感にも頼っての調整となります。 中低域でのピークディップは定在波の影響でしょうから完全に潰す事は無理ですので、多少緩和させる程度とします。 中〜高域は左右の定位を優先して調整しました。ウネリを無理に潰そうとせずに、各周波数で左右のレベルが近づくように調整します。 高域になればなるほど定位が気になるからです。

 全体に補正を終えたらこのままでは非常に落ち着いた音ですので、メリハリを出すためにさらに調整します。 12.5KHz〜20KHzにかけてのバンド幅でパラメトリックイコライザー(PEQ)にて20KHzを6dbほど上昇させます。
 さらにグライコの方で4KHz〜8KHzを持ち上げてやります。 具体的には4KHz/1db、5KHz/2db、6.3KHz/3.5db、8KHz/5db です。これによって楽器の持つブリリアントな音色の再現性が向上するのです。 もちろんこの増量は、聴感によって最大値6db程度とした方が良いようです。 持ち上げすぎるとボーカルの子音がきつくなります。 

 最後に低域の補正です。 ウーハーとホーンから逆相音が出ますのでバックロードホーンでは無駄なあがきと前置きをしておきますが(^_^;
 PEQで20Hz〜160Hzのバンド幅で20Hzにて15dbブーストします。 ボンつきなく重低音を補正しようとすると、この程度(160Hzまで)が限界です。 と言うか、バックロードホーンではやっても無駄です・・。 これでも若干男性ボーカルの喉仏の響き?にブーミー感が伴うときがあります。 しかしあまりバンド幅を狭くしてしまうとブースト効果が無いのでこれは妥協点です。 実際にこれ以上幅を上に広げますと、タムタムなどの音のスピード感が落ちてきます。(5/25の調整で、低域の幅を100Hz(ピーク+13db)までと再調整しました。まー、いつでもホイと変えられるので、量感を必要とするオーケストラなんかの時には幅や増幅量を変えてやればOKです。)

 こんな感じでGEとPEQで補正しています。

 DEQ2496のGE(グライコ)は極端に調整したポイントを自動的になめらかにしてくれる機能がありますので、上図の8KHzポイントのように画面上はすぱっと切れていても実際は、ある程度なだらかに補正されているので大丈夫です。
(・・・だと思う・・・(^_^;(^_^;(^_^; )


2004/05/24

グライコの自動補正機能ってなんか変だよ!?
TRUE RESPONSE/UNCORRECTED(I/O) の設定

 前回の最後(すぐ上の所です)に「GEには自動的になめらかにする機能が有る」と書きましたが、それは下図のような動作をします。 本来は右図のようになるべき所が、実際は左図のようになってしまうのだそうだ。 (アナログのGEは普通こうなるのかな?) それを本来の右図のように自動的に補正してくれるのがDEQ2496のI/Oの1ページ目で設定できるGEQ−MODE「TRUE RESPONSE/UNCORRECTED」です。 これはいじらなければ自動的に「TRUE RESPONSE(自動補正ON)」になっています。

 昨日まではこの機能をONにしてあったのですが、GEを使うと何か変なのです(^_^;。 位相がおかしいのです。 大袈裟に書くと酔っぱらいそうな感じなのです(^_^) GEを使うと位相の変化ってこんなものなのかと思っていたのですが、ちょっと機能をオフにしてみたらこれが良いのです! もちろんGEがないほうがより自然な事は言うまでもありませんが、まるでベールを1枚剥いだように音像、定位がスッキリと変化しました。\(^O^)/

 もしDEQ2496を使っていらっしゃる方がこれを見ていましたら、一度設定を変える事をお薦めします。 ただしこの機能をオフにするともちろん自動補正は効かなくなりますので、従来のアナログGE同様に変化のカーブはなめらかにしたほうが良いのはモチロンの事です。 ONにしてあるとカーブをなめらかに設定しても位相の変化量は大きいので、いっそのことオフ(UNCORRECTED)にしてしまった方が良いと思われます。 もちろんこれもその人それぞれのシステムにより違いは出ると思います。


2004/05/25
これで調整はほぼ終わりです。

 ユニットのクセを残したかったのでグライコの調整方法を変えてみました。 裸でも特定のピークディップを除けばそれほど醜い状態ではないので、フラットにするのではなく左右でレベルを揃えるだけにしてみました。

 これには二通りの方法があり、一つは左右で離れているレベルをお互いに近づけるように少しづつ上げ下げする方法と、もう一つは0dbに近いチャンネルに反対側だけを近づける方法が有り、両方を試してみました。

 

結果は両chを同時に動かして近づけるだけのが好結果でした。 こうすると調整量は最大でも2db位ですね。 殆どは1db位で済んでいます。 250Hzのディップ(ここはRchだけ+3dbにしました)を除けばほぼ+−3db以内ですのでそれ以上はフラット化にこだわらずにそのまま放置します。 無理に合わせると右chの低音が出過ぎるので、実際はそれほどディップしていないのかもしれません。 又、8KHzのブーストは今回はしなくてもOKでした。

 これだけでも今までの無調整よりはるかに落ち着いた雰囲気で、しかも多少やんちゃなJBLらしさも残せています。 私的には大成功ですかね(^_^)

 それにしても測定器とグライコがなければこんな事はできません。 グライコの導入はシンプルイズベスト以上に有効な手段だと思います。 


2004/06/30
ワーブルトーンのソースを作る

 前記メジャグランのCD−Rを購入したのですが、記録されているワーブルトーンのポイントが少ないのですよね。 まー販売者のメジャグランとしては、それだけで十分としているのでしょうが、一般ピープルとしましてはもの足りません(^_^) ですのでSH−8000のワーブルトーン信号出力をパソコンに取り込み、自分で31ポイントのソースを作りました。
 しかしSH−8000が大変に古いためかメジャグランのソースと比べると、20Hz/25Hz/31.5Hz/40Hz が信頼できません(^_^; 前記4つの周波数は、スペアナでは目的の周波数がちゃんと出ているようなのですが、聴感での感じとしては「おかしいかな?」と聞こえてしまうのです。 まーこの領域(100Hz以下)は極小振動板を使った測定用マイクのレスポンスでは問題もありますので、どっちにしても聴感での補正となるので良しとしました。


2004/08/09
マルチチャンネルのレベル調整方法は色々有りますが・・・

 趣味として(マニアックでは無く)適当にオーディオを楽しんでいる私としましては、とにかく面倒な手順は踏みたくありません(笑) ですので各ユニットのレベル調整も安易に出来るようにしたいのです。 下記に私が実際に行っている調整方法を記します。 ささっとやって30分ほどで終わります。 もっと簡単な方法があったら是非教えてください!

 1.
 
ピンクノイズでチャンデバの各チャンネルのレベルをアナライザーを見ながらざっと合わせる。 左右のレベルもほぼ合わせておく。 中高域〜高域はわずかに低めにしておいた方が良い場合が多いです。 全くのフラットにすると高域が強く出やすいので注意します。 好みもありますので自分で決定します。 ただし、高域に行くに従いだら下がりにする訳ではありませんのでご注意下さい。 若干レベルを下げる程度です。 アナライザーがない場合は聴感でもかまいません。

* ノイズ信号を再生し、各ユニットごとに聴感でセンターに定位するようにチャンデバのレベルを調整する方が、マイク測定より私はセンターをだしやすいと思います。 調整後一度音楽をかけて確認しても良いですね。

 2.
 
まず1KHz位の周波数でボリュームレベルを決めます。 いきなり20Hzなどを大音量で再生しますとシングル一発などではユニットを破損する場合があるからです。 次にワーブルトーンスイープを使いアナライザーで観測する。 アナライザーの測定結果表示画面から基準となる周波数及びその基準レベルを何dbにするか決定する。 レベル測定器だけでアナライザーが無い場合は、ワーブルトーンをスキャンさせて大体のレベルを把握して基準周波数&レベルを確定します。 以降この周波数&レベルに合わせるようにしていきます。 この作業中にユニットの左右のレベルをさらに追い込んで合わせておきます。 左右の音圧が違うとセンターが決まりませんので注意します。 これ以降チャンデバはいじりません。

* イコライザーがない場合は、ここまでで調整は終了です。 以降はイコライザー使用を前提としています。 以下の作業の進め方をお読み頂ければ、イコライザーの必要性をお分かり頂けるかと思います。 これからの作業は定位に非常に関連しています。

 3.
 
ここからはアナライザーではなく音圧測定用のメーター(測定器)を使います。 DEQ2496でしたらメーター>SPL−METERです。左右個別にワーブルトーンスポットにて1波1波測定し、基準レベルとの差をイコライザーにて修正していく。 ただし基準レベルから+−3db以内は(私は)いじりません。 +−3db以内でも特に気になる部分が有れば調整しておきます。 サイン波に比べればまともに近いのですが、ワーブルトーンと言えども定在波の影響を全く受けない訳ではありませんので修正する量をなんdbまでとするかは個々のシステムや部屋の状況で決めましょう。 私は修正量が6dbを越えると聴感上おかしく聞こえますので、+−3db以内に追い込めなくてもなるべく修正量は3db位までにとどめています。

ここまでで左右個別の調整は終わりました。 しかしヴィンテージユニット(あるいはそれに近いユニット)の場合は、1個1個特性にばらつきがある場合が多いのです。 例えば私が所有しているミッドの2インチドライバーは1KHz位から左右で音圧差が顕著に現れます。 ボーカルの子音だけが右から聞こえたりと、明らかに異常です。 多分アルニコマグネットの減磁が原因かと思われます。 又、部屋の音響特性による左右のばらつきもありますので、例えばシングル一発でも必要になる場合もある事でしょう。

 4.
 
次にワーブルトーンスポットを左右同時に同レベルで順次再生していき(普通のステレオ再生の事です)聴感観測をします。 センターに定位しない周波数をイコライザーで修正していきます。 ここでの注意は、前の周波数でレベルを上げたのに次の隣接する周波数でレベルを下げた場合にお互いに影響し合う事です。その場合には前の周波数に又戻り確認したり、イコライザーのレベルの変化の度合いが滑らかになり、かつセンターに定位するように修正します。

これで調整は終わりです。 最後の4番を行う事で各楽器の定位は見事に決まるはずです。 決まっていなかったら再度該当周波数近辺を調整します。 特に500Hz〜8KHz位の間が決まっていれば、まず問題は起きないと思います。