古の名言集
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菜根譚
- リーダーの心得 -
1.上に立つ者
 上に立つ者は、偏屈な完璧主義者より、まじめで飾らない人のほうが良い。厳しすぎる人より、少し大ざっぱな人のほうが良い。
 君子与其練達、不若朴魯。与其曲謹、不若疎狂。


2.高すぎる結果を求めない
 もし、仕事には必ず完璧を求め、成績には必ず過剰な結果を求めれば、内部に不和を生じ、必ず外部に付け入られる。
 若業必求満、功必求盈者、不生内変必召外憂。


3.完璧を求めない
 人にものを教える場合、完璧を求めてはいけない。相手がついてこられるように指導しなくてはならない。
 教人以善、毋過高、当使其可従。


4.退き際を見定める
 ことが成就し、なすべきことをなし尽くした人は、退き際を見定めなければならない。
 功成行満之士、要観其未路。


5.くじけない、油断しない
 君子は逆風が吹けば順風としてとらえ、平穏なときは危機に備えている。これには天の神々も手の出しようがない。
 君子只是逆来順受、居安思危。天亦無所用其伎倆矣。


6.寛容な態度で
 気候が温暖であれば万物は成長し、寒冷であれば万物は枯れ死する。
 天地之気、暖則生、寒則殺。


7.澄んだ水には魚もすまない
 手入れのされていない大地は多くの生命を育むが、澄(す)んだ水には魚もすまない。
 地之穢者多生物、水之清者常無魚。


8.失敗を悔いるよりも対策
 まだ手つかずの仕事の計画を立てても、すでに成功している事業を保つことには及ばない。過去の失敗を後悔しても、将来の失敗を防ぐことには及ばない。
 図未就之功、不如保已成之業。悔既往之失、不如防将来之非。


9.志を忘れない
 さっぱりした人は、必ずしつこい人から疑われることになる。きちんとした人は、いい加減な人からは憎まれる。君子は、これに対して少しも自分の生活態度を変えず、そして鋭い輝きを表に出さない。
 澹泊之士、必為濃艶者所疑。?飾之人、多為放肆者所忌。君子処此、固不可少変其操履、亦不可太露其鋒芒。


10.利害を考えない
 仕事の責任者は、仕事に全力を尽くし、利害得失を考えてはならない。
 任事者、身居事中、当忘利害之慮。


11.有能も去る
 人を使うには冷酷なことをしてはならない。冷酷なことをすれば役に立とうとしている者さえ去ることになる。
 用人不宜刻。刻則思効者去。


12.君子の配慮
 君子は、困難に直面してもたじろがない。しかし、宴会や道楽の場では慎重に行動し、権力者や富豪には媚(こび)を売らず、身寄りのない人には気を配る。
 君子処患難而不憂、当宴遊而タ慮、遇権豪而不懼、対?独而驚心。