古の名言集
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菜根譚
- 人物鑑定 -
1.未熟の小細工
 名工は小細工をしない。小細工を施す理由は未熟だからである。
 大巧無巧術。用術者乃所以為拙。


2.究極の文章
 文章作りが極みに到れば、奇抜な部分はない。うまいぐあいに要点だけを書く。
 文章做到極処、無有他奇。只是恰好。


3.スケールの大きさ
 流行を追いかける者は、遠大の知識が無く、どれほど時間を費やしても、永遠に心の軸は生じない。
 驚奇喜異者、無遠大之識、苦節独行者、非恒久之操。


4.いい人
 パーティの多い家庭は、良い家庭とはいえない。派手な名声を好む人は、良い人とはいえない。高い地位の獲得に執念を燃やす臣下は、良い臣下とはいえない。
 飲宴之楽多、不是個好人家。声華之習勝、不是個好人士。名位之念重、不是個好臣士。


5.天命を知らず
 天は、一人の賢人を送り出す。それは人民に貴重なものを教えるためである。しかし、世の中の賢人は長所を自慢して、他人の欠点を指摘している。天は一人の億万長者を産み落とす。それは人民の困窮を救うためである。しかし、世の中の億万長者は富を利用して人民とはかけ離れた生活を楽しんでいる。
 天賢一人以誨衆人之愚。而世反逞所長以形人之短。天富一人以済衆人之困。而世反挾所有以凌人之貧。真天戮民哉。


6.中才の知識人
 才能が中途半端な人が誰よりもたくさんの思慮知識を身につければ、誰よりも多くの猜疑心をいだき、やることなすこと苦労をかけられる。
 中才的人多一番慮知識、便多一番億度猜疑、事々難与下手。