古の名言集 |
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菜根譚 - 対人関係 - |
1.独り占めしない 一歩足を止めて先を急ぐ人に道を譲る。御馳走は少し残して人に食べさせる。 径路窄処、留一歩与人行、滋味濃的、減三分譲人嗜。此是渉世一極安楽法。 2.一歩譲る 世を渡るには一歩譲って自己の価値を高める。人の利益となるような行いは、実は自己の利益となる基本である。 処世譲一歩為高。退歩則進歩的張本。 3.自画自賛しない 天下に鳴り響く功績も、鼻にかければ何の値打もなくなってしまう。 蓋世功労、当不得一個矜字。 4. 厳しすぎる批判は不可 他人の欠点を批判する時は厳しすぎてはいけない。その人が批判に耐えられるように気にかけるべきだ。 攻人之悪、毋太厳、要思其堪受。 5.富みて驕らず 富貴の家柄の人は、つとめて広く大きな心を持つべきなのに、かえって忌わしさが刻まれている。このようなことでは富貴でも貧しくていやしい人と変わらない。 富貴家宜寛厚、而反忌刻。是富貴而貧賤其行矣。 6.適切な距離 小人と接するとき、きびしい態度で臨むのは優しいが、憎悪を抱かないのは難しい。 待小人、不難於厳、而難於不悪。 7.万全は無い 人の出会いは、恵まれる時もあれば恵まれない時もあり、自分一人が恵まれようとしても無理な話である。 人之際遇、斉斉有不斉、而能使己独斉乎。 8.不純な動機 人に施しを与えるなら、その報酬が少ないからといって責めてはいけない。報酬を責めれば、あわせて施しの心それ自体が否定される。 施人毋責其報。責其報、併所施之心倶非矣。 9.家庭教育 家族に過ちがあれば、暴力を用いて怒るべきではない。言いにくければ他人の事例を引き合いに出して、遠まわしに過ちを言い流せ。今日理解できなければ、来る日を待って再び警告せよ。春風が凍てつく大地を解かすように、和気が氷を消すように、穏やかに実施するのが家庭教育の模範である。 家人有過、不宜暴怒、不宜軽棄。此事難言、借他事隠諷之。今日不悟、俟来日再警之。如春風解凍、如和気消氷、纔是家庭的型範。 10.見て見ぬふり 他人の小さな過ちは責めず、隠し事は暴かず、過去の失敗は忘れてやる。これらを実践して徳を養い、怨みを買ってはならない。 不責人小過、不発人陰私、不念人旧悪。三者可以養徳、亦可以遠害。 11.友人の過ち 友人との交流で過失を見つけたら、真剣になって改めさせなければならない。そのまま遊んでいてはいけない。 遇朋友交游之失、宜剴切不宜優游。 12.頑固者に対しては… 頑固な人に対しては、辛抱強く教えて後悔(こうかい)させなければならない。もし、怒(いか)りでこちらが病んでしまったら、頑固者が頑固者を説得することになる。 人有頑的要善為化誨。如忿而疾之、是以頑済頑。 13.無限の効果 人の悪だくみを見ても告げ口をしない。人に侮辱されても顔色を変えない。このような行動の中に無限の意味があり、無限の効用がある。 覚人之詐、不形於言。受人之侮、不動於色。此中有無窮意味、亦有無窮受用。 14.商人の取引 もし、親切をした人が責任を感じ、それを受けた人が義理を感じるようなら、それは他人である。つまり、商人の道と変わらない。 如施者任徳、受者懐恩、便是路人、便成市道矣。 15.人情の常 飢えれば近づき、満腹になれば去り、懐が温かい時にはやって来て、懐が寒ければ相手にもしない。人情の常である。 饑則附、飽則?、燠則趨、寒則棄。人情通患也。 16.反省できる人、反省できない人 自らを反省できる人は、経験した事はすべて漢方薬や針となる。他人をとがめる人は、心を動かせば武器となり自らを傷つける。 反己者触事皆成薬石。尤人者動念即是戈矛。 17.円滑な人間関係 世間を渡るには人間関係を円滑にしなければ、それはただの木偶(でく)人形で、いたる所で衝突してしまう。 渉世無段円滑機趣、便是個木人、処処有碍。 18.滅ぼす心 疑い深く、冷酷な心の持ち主は、凍てつく雪のようだ。周囲の人々は精神的に殺されてしまう。 念頭忌刻的、如朔雪陰凝。万物遭之而死。 19.最初の厳しさ 威厳を示すには厳しい態度で臨み、つづいて寛大な心を示すことだ。はじめに寛大な心を示し、あとで厳しくすれば、人はその酷(むご)さを怨(うら)むようになる。 威宜自厳而寛。先寛後厳者、人怨其酷。 20.実るほど頭を垂れる稲穂かな 成功した者は、謙虚な姿勢で他人の好意に報いる。そうすれば嫉妬を受けずにすむ。 功名之士、承以謙徳、方不開嫉妬之門。 21.相手を尊重する 目上の人を敬えば、怠け者にならずにすむ。目下の人を敬えば、横暴と噂されずにすむ。 大人不可不畏。畏大人則無放逸之心。小民亦不可不畏。畏小民則無豪横之名。 |