鹿島砂丘 掘り下げ田を 活かす会                  
私達は、茨城県神栖市波崎地区で農業に従事している有志グループです。
波崎地区には「掘り下げ田」という独特の水田があります。
「掘り下げ田」は効率の悪い面があり、徐々に耕作されなくなりつつあります。
私達は「掘り下げ田」の持つ歴史的・文化的な面、そして景観を含めた「掘り下げ田」の持つ様々な機能を見直し、これを将来に残すため、積極的に活用したいと考えています。
より多くの人たちに「掘り下げ田」を知ってもらい、私達の活動をご支援いただける方を募集するため、このページを立ち上げました。


波崎地区の風土

茨城県の東南端に位置する神栖市波崎地区は、ほぼ全域にわたり土壌が砂質で、「波崎砂丘」とも呼ばれ、国内屈指の砂丘地帯に数えられています。
全国的に砂浜が減少しているようですが、波崎海岸は全長20kmにもわたり砂浜が続き、砂丘には美しい風紋が見られます。
現在は風力発電の風車が多数設置され、伸びやかな海岸線と人工の巨大造形物が調和し、新たな景観を創り出しています。


掘り下げ田

波崎地区は水はけの良い砂質土壌の特性を生かし、温暖な気候と相まって、日本一のピーマン、千両などを特産とする、一大農業地域を形成しています。

ところが、水はけの良い砂地は水田には向きませんでした。それでも、この砂漠地帯に入植した先人達は、地下水面まで水田を掘り下げることにより保水力を高め、米作りを可能にしました。これが「掘り下げ田」です。
動力機械のなかった時代、地表から数十cmから1m以上堀り下げる作業は、大変な重労働であったことでしょう。

耕作放棄される掘り下げ田

「掘り下げ田」は面積の小さい田が多く効率が悪いこと、除草作業、水管理、排水路整備など通常の水田に比べて作業が大変なことなどから、耕作が放棄されつつあります。
また、自由貿易の拡大により、米価がこれまで以上に下落することが予想され、政府は農家の所得減を直接補償する制度を打ち出しました。しかし、対象となる「担い手農家」になるためには、ある程度以上の耕作規模が必要です。結局手間のかかる「掘り下げ田」はますます耕作されなくなってしまうでしょう。


掘り下げ田の多面的機能


経済効率では評価の低い「掘り下げ田」ですが、米を生産する以外に、様々な機能によって地域に貢献しています。
ひとつは洪水時の調整池機能です。掘り下げてありますから、大量の雨水を貯えることができ、建物や農地の浸水被害を軽減することができます。「掘り下げ田」には「ミヨ」と呼ばれる排水路が付随しています。この排水路は地域の排水システムの中で重要な役割を果たしており、もし「掘り下げ田」が耕作されなくなれば、この毛細血管のようにはりめぐらされている水路の維持管理も行われなくなってしまいます。
一方で、水田は雨水を湛水することで地下水を涵養し、良質な水を生活や産業に提供しています。地盤沈下を防止する効果もあります。
「掘り下げ田」はこの地域特有の農村風景を作るとともに、様々な生物の棲息の場となっています。


私達はこの「掘り下げ田」を耕作し続けることで、地域における欠くことのできない「掘り下げ田」の機能を発揮させ続けたいと考えています。
そこで、この会の趣旨をご理解頂いた方に、活動へのご支援をお願いします。
支援の方法として、「掘り下げ田」で栽培された「掘り下げ田米」の購入をお願いします。
購入につきましてはこちらをご覧ください。

おいしくて安心・安全なお米を作りながら、伝来の農地を守り、地域の環境を保全していきたいと思います。
国や行政をあてにせず、地域の皆さんに支えていただいて、活動をしていきたいと願っています。

                                  波崎砂丘掘り下げ田を活かす会 
                                               http://east.portland.ne.jp/~n_michio/mhorisageta.html  mobile