『夏の終わり』


慌ただしく、何かが通り過ぎて行った。

砂浜にしみ込んだ楽しそうな声たちを、
波がやさしく、なぞって行く。

真昼の騒がしい季節の声も、
とても優しい、夜の音色へと変わって行く。

どうしたのだろう、
一体何が起こっていると言うのだ・・・。

ふと、学生たちの遊びまわる姿が、
真昼の繁華街から、消える。

そして、その街は、黄昏色に染まって行くようであった。

慌ただしく、何かが通り過ぎて行った。

幾つもの、爪跡だけを残して・・・。


Tomoi Fujisaki

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