『赤い糸』


「将来結ばれる人の小指と、この小指は赤い糸で結ばれているんだよ。
でも、それは、決して目で見る事は出来ない物なの・・」
昔、お母さんに言われた言葉。

「ふ〜ん、じゃあ、すっごく長い糸なんだね」
まだ、純粋だった、私。
確か、そんな馬鹿な事を、言っていたような気がする。

出会い、恋愛、同棲、結婚、出産、不倫、別居、
そして離婚・・・。
そんな、出来事が珍しくはない、今日この頃。
そして、きっとその人は言うんじゃないかな。
「私と彼とは、初めから赤い糸で結ばれてなかったのよ」

世間と言う、荒波にもまれ、きっとそれはからまってしまったんだろう。
今では、その存在すら、感じとる事も出来ない、私。
いや、そんな物は初めからないのかも知れない。

運命の出会い?

昔、聞いた事がある。
「誰にでも3回だけ、結婚のチャンスがある」ってね。
でもそれって、「この世に3人、自分に似ている人がいる」
って言うのと同じ、何の根拠もない事だと思う。
どうして、「3」と言う数字なのかは、分からないけどね。

「そんな事言っているから、いつまでたっても結婚出来ないんだ」
って言われそうだけど。
うん、確かにそう思うよ、私も。

でも、でもね、私はやっぱり信じてる。
まだ幼かった頃の、
あの、胸のときめきを・・・。

運命の赤い糸、それが見えた時、
私は、きっと、
そう、きっと正直になれる。
そして、必ず言うんだ。
「お母さんの言った事、本当だったね」 と・・・。


Tomoi Fujisaki

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