東日本大震災の記憶
 
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心のケア
 東日本大震災に限らず、災害は被災者の心に大きなストレスを与えます。その反応は、身体、思考、感情、行動などに現れてきます。
 災害の直後に起こる反応は、心拍数や血圧の増加、集中力や記憶力の低下です。不安や恐怖で我を忘れ、コミュニケーションが上手く取れなくなります。
 災害発生後、1週間〜1ヶ月ほど経過すると、悪夢を見たり、イライラや孤立感が増します。生き残ったことに罪悪感を抱くこともあります。

 避難生活が長引くと、現実に向き合う余裕が出てきます。この時、喪失感が大きくなると自殺を選択してしまうことがあるそうです。喪失感には、第三者から見て分かりやすい理由から分かりにくい理由まであります。仮設住宅や義援金だけでは被災者に希望を与えることはできませんでした。

 喪失感を抱く理由
 ・家族を失う
 ・財産を失う
 ・仮設住宅の台所の窓からでは、いつも見ていた景色が見えない
 ・タンスが流された(詳しく聞くと、嫁入り道具として贈られた大切なものだった)
 ・ピアノが流された

 心のケアの具体例
 ・被災者を労働者として雇う(入浴支援活動の労働者として日当6,000円で被災者を採用)
 ・過去の大規模震災時、どのように復旧・復興したのか説明し、被災者の不安をやわらげる
 ・津波でボロボロになったアルバムを復元する
 ・失ったものの代替品を贈る(おもちゃの電子ピアノなど)